Last Updated 3/18/2004
17. 「捨てる!」技術
18. グロテスク
19. 広報・雑誌づくりのらくらく編集術
20. レッスンズ
21. アメリカ嫌い
22. 欲望産業
23. 東電OL殺人事件
24. 半落ち
25.26. 赤い月(上)(下)
27. 神も仏もありませぬ
28. 号泣する準備はできていた
29. 負け犬の遠吠え

29. 負け犬の遠吠え
酒井順子
講談社 (2003/10) 1400円(税別)

3/15/2004

予想以上のおもしろさ。この痛快さ、思いっきりの良さは「負け犬」の経験者だから分るのか。随所でにやりと苦笑いを禁じえない私は、今でもかなり「負け犬」の素質を有しているという自信を持ってしまった。いちいち、そうそう、そのとーり!と相づちを打ちたい私だけど、まだ







28. 号泣する準備はできていた
江國香織
新潮社 (2003/11) 1400円(税別)

3/15/2004

今年の直木賞作品。こういうトレンディドラマみたいなしゃれた話はどちらかというとそんなに好きじゃないかな。ブロードバンドだっけ?「一生友達でいようね。」「一生2人でしあわせに。」とか言われて「一生はないよ。」と、冷めた口調で答えるCMを思い出した。

27. 神も仏もありませぬ
佐野洋子
筑摩書房 (2003/11) 1300円(税別)

3/13/2004

痴呆の母のこと、64歳という年齢のこと、北軽井沢での暮らしのこと。この人の文章はリズムがあって楽しく、辛口の中にも愛情を感じる。

25.26. 赤い月(上)(下)
なかにし礼
新潮文庫 (2003/12) 552円 590円(税別)

3/10/2004

著者の母親をモデルとした自伝的小説。物語がほとんど事実だということが衝撃的で、少なくとも身のまわりは平和な現在では考えられない激動の時代を祖父や祖母は生き抜いてきたんだなあ、と思った。幸い満州で楽しげな生活を送ったらしい祖父母は終戦の3年ほど前に帰国したらしいが、もっと話を聞いておきたかったなあと思う。

24. 半落ち
横山秀夫
講談社 (2002/9) 1700円(税別)

3/2/2004

守りたいもの、誰かのために生きていたいという思いが生きがいになる。妻を殺した元警察官が、登場人物それぞれに影響を与えていく。警察の話のようでいて家族の「絆」を語る。涙を誘う種明かしだった。

23. 東電OL殺人事件
佐野眞一
新潮文庫 (2003/9) 705円(税別)

2/20/2004

小説「グロテスク」のリファレンスにもなっていたノンフィクションで、事件後約3年間丁寧に事実を追ったルポを、分らないことは分らないと認めた上でまとめている。警察の内部を描く小説は色々あるけれど、これを読んで、「本当に」警察って腐ってる、と思った。マスコミは事件が起こったときにあることないこと衝撃的に書き立てるけど、その後真相がたとえ明らかになったとしても、それについて語られることはほとんどないことを改めて思った。

22. 欲望産業
高杉良
立風書房 (1993/9) 2200円(税別)

2/18/2004

消費者金融最大手の武富士の一連の盗聴などが問題となった去年、新聞、雑誌が待ってましたとばかり否定的な記事を書き立てたとき、これまで記者たちが書きたかったけど書けなかったことが山ほどあったんだね、という話を会社でした覚えがある。まず著者が、明らかにモデルにしているこの会社から、いやがらせくらいはされたんじゃないかと心配になり、内情はもっとひどいんだろうな、と思った。高杉良の企業小説は、女性の描き方がとても古典的(おやじ的)なところがひっかかるんだけど、この本ではそれが気にならないほど度の過ぎたふるーい体質のオーナー企業が舞台で、読みごたえのある話だった。それにしても、消費者金融はこの本が書かれた後も、悪い話題が後を絶たないな。

21. アメリカ嫌い
灰谷健次郎
朝日新聞社 (1999/8) 1000円(税別)
--「よかれと思ってしたことが他人を傷つけ、浮かれて調子に乗っては他人を傷つけ、正直に自分をさらけ出したつもりが、やっぱり他人を傷つけ、それならばと一歩退いたら、それがまた他人を傷つける。」

2/16/2004

ホンネのエッセイはおもしろい。正直だからこそ、ものを書くことで他人を傷つけてしまう事実につらい思いを抱いている繊細さが、作家らしいと思う。

20. レッスンズ
谷村志穂
講談社 (2002/1) 1600円(税別)

2/15/2004

大学時代、割の良いアルバイトとして私も家庭教師をしていた。自分が生徒の親だったら絶対雇わないだろうな、なんて思いながら。田舎から出て来た世間知らずのあの頃の私は、星の数ほどある都会の学校の事情にも疎いし(今でもよく分らないけど)、生徒だった中学生と高校生の女の子たちになにか少しでも教えることができたのかなあ。

19. 広報・雑誌づくりのらくらく編集術
西村良平
日本エディタースクール出版部 (1995/7) 2400円(税別)

2/14/2004

雑誌の編集者と仕事をすることも多かったので、今さらながら編集のイロハを読んで、なるほど編集者ってこんなにいろいろ作業してるんだな〜、と忙しさの理由がちょこっと分った気がした。「校了明け」という言葉の重みがより身近に感じられるようになったというか。雑誌や書籍の読み方が少し変わりそう。

18. グロテスク
桐野夏生
文藝春秋社 (2003/6) 1905円(税別)

2/12/2004

なかなか読みごたえのある、東電OL事件をモチーフにしたフィクション。胎児によくないかも、とNさんが言っていたように、かなり重く暗かった。生まれ持った容姿や家庭における両親や姉妹との確執、学校での人間関係が、人格形成とか価値観にこんな風に影響するのかなあ。女性ファッション誌の連載小説みたいな装丁がいけてる。

17. 「捨てる!」技術
辰巳渚
宝島社新書 (2000/4) 680円(税別)
--「しかし、あなたが死ねばみんなゴミなのだ。たった今、交通事故であなたが死ねば、あれほど大事にしていたアルバムはうち捨てられる。本は一山いくらで古本屋に買いとられる。それなら、死ぬ前にもっとすっきりさせたほうが気持ちがよいではないか。」
--「持っているモノはどんどん使おう。逆に使わないモノは持つのをやめよう。」

2/10/2004

この話題はちょっと古くなったからか、特に新鮮さを感じなかった。私はモトモト捨ててすっきりすることが気持ちいいタイプだから。ただ、結婚してモノを大事にとっておく考え方もあるんだな、と少し考え方が変わった部分もある。それでも捨てたいものがたくさんあるけど。
筆者はマーケティングの専門家だからか、モノを買うことは楽しむべきだとした上で、聖域を作らず、罪悪感を持たず、法則を作ってあふれるモノを捨てるべき、と主張している。とは言ってもそれぞれの考え方があるんだから、無理に捨てなくても、たとえば思い出のつまったモノをとっておきたいという気持ちがあれば、それはそれでいいと思う。確かに向田邦子ならともかく、手帳とか日記みたいなものは死んだらばっさり処分して欲しい気はするけど。


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